製品へのスイッチ組込に関連した代表的な各国の安全規制に関してまとめました
1.概要
電気を使用する製品、部品に一定の安全基準を設けて一般消費者を感電や火災の危険から守るために、国やそれに代わる機関が認証及び認可する制度です。
セットメーカーに於いては、セットに認可済みの製品を使用する事でその製品の安全性に関して一定の保証が得られることと、そのセットの認可試験の一部が軽減されるため、セットの認可を取得しやすくなる利点があります。
2.主な認可及び認証制度
2.1 電気用品安全法 / PSE (日本)
電気用品安全法 / PSE
従来の「電気用品取締法」が「電気用品安全法」と改称され、平成13年4月1日から施行されました。
電気用品は「特定電気用品」(旧 甲種電気用品)及び「特定電気用品以外の電気用品」(旧 乙種電気用品)に分類され、特定電気用品については、認定検査機関等で適合性検査を受け、その証明書を保存する義務があります。また、罰則も強化されています。
⬛スイッチについて
平成7年6月1日付通達(電気用品の範囲等の解釈について)により、非対象のスイッチはスイッチ単体では電気用品の適合性検査証明書の取得をすることができません。
お客様にて製作の機器に適合性検査証明書を必要とする場合は、ご面倒でも、各種部品を含む機器として取得して頂くことになります。電気用品の適合性検査の際に、スイッチの検査も併せて行われますので電気用品の技術基準を満足しなければなりません。
当社のスイッチ(電気用品準拠品)はすべて非対象となります。
ご申請にあたって、スイッチに関する資料が必要な場合は当社営業窓口までお問合わせください。電気用品の非対象となる主な条件は下記(1)~(2)の通りです。
(1) 単極単投、単極双投、双極単投以外のもの
(2) はんだ端子、ファストン端子、ラッピング端子、プリント基板用端子のもの。
2.2 UL (アメリカ)
UNDERWRITERS’ LABORATORIES INC.
UL(UNDERWRITERS’LABORATORIES INC.)は米国に於ける民間の認可機関で、消費者の安全確保及び火災防止を目的とし、安全に関する規格を制定し、その規格に基づいて試験を行い、その結果を関係団体並びに一般大衆に公表する(Listing)。
従って、ULの試験に合格した製品(UL規格品)に対してはレコグナイズド・コンポーネント・マークを表示する事が認可され、表示製品は米国及び欧州市場に於いて特に安定品質を持った製品とみなされています。
尚、UL規格品は、ULより派遣された試験員が立ち合い検査の上、合格した製品のみUL規格品として出荷されます。
製品にレコグナイズド・コンポーネント・マークの表示がないものは、例えULリスト品であってもUL規格品とは認められません。
2.3 CSA (カナダ)
CANADIAN STANDARDS ASSOCIATION
CSA(CANADIAN STANDARDS ASSOCIATION)はカナダに於ける国家の認可機関で、電気器具を初めとする機器について人体に対する安全及び火災防止を目的とし、安全に関する規格を制定し、その規格に基づいて試験を行います。
従って、CSAの試験に合格した製品(CSA規格品)に対してはCSAマークを表示する事が認可され、表示製品を使用する事がカナダに於いて義務づけられています。
尚、製品にCSAマークの無いものは、例えCSAリスト品であってもCSA規格品とは認められません。
2.4 VDE (ドイツ)
VERBAND DEUTSCHER ELECTOROTECHNIKER
VDE(VERBAND DEUTSCHER ELECTOROTECHNIKER)はドイツに於ける認可機関で、あらゆる電力の利用の時に生じる人命の危険及び火災の防止を目的としています。
認可は非強制ですが、未認可製品による事故には罰則があるため、事実上強制となっています。
尚、認定製品にはマークが表示されます。